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執筆者の写真Nobuhiro Kawai

ツリーハウス

全くと言っていいほど興味が湧かなかったツリーハウス。

でも、いろいろなことがわかるにつれ自分の勉強不足がそうさせていたことに気づく。


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このミズナラだって、ツリーハウスという頭がないから去年まで気づかなかった。

不思議なもので、何かをしようと思うと見えてくるものってたくさんある。

だから、まだこの土地のどこかにはまだ気づかない宝物があるかもしれない。


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雪がまだまだ残る2月気持ちが固まった、というかまずはなんでもいいからはじめてみた。

ツリーハウスの作り方など知りもしないが故にそれに関して迷いがあって中々始められなかった。

その日を界に、本業の合間を縫っては足を運び少しづつ組み立てていく。


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試行錯誤というのはこういうことを言うのだなと感じながら、本当に少しづつ。


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途中大きな問題が起きたり、頭を悩ますことが起きたりと前進どころか後退をせざるを得ないこともあった。


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そんないろいろなことをこの場で体験するうちに、だんだんと思考が固まりイメージも湧くようになる。


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ツリーハウスといえども、中途半端なものは作りたくはなく冬の季節でも快適に過ごせるように断熱を四方に入れることに。

そこで床と天井の半分の断熱には羊毛を使った。


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いつの間にか季節は、雪がなくなり春に向かう。


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暖かい日もあれば、寒風を感じながらの日もあるこの季節。

でも、季節の変わり目、自然をツリーハウスと共に感じられることなんて考えられなかったな。

ある本に書いてあった。

毎日朝が来ることが待ち遠しいと思えることをしているかを問いなさい。

してるな、間違いなく。

毎晩次の工程はどうしようかなと夢に出てくるくらいだったもんな。

早く完成させて早くあの場で川を眺めていたい。

その一心で毎朝現場に向かっていた。


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季節が春に向かうにつれ本業の仕事も当然多くなってくる。

そうなると進むペースも落ちてくる。


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最低でも屋根は葺いておきたいと思っていた。


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屋根からの眺めは床面からの眺めとはまた違った感じを受けた。


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自由と冒険の表現。

この言葉を知った時からこの地に建てることを決心した。

自分の中でもこのツリーハウスは自由と冒険を表現したもの。

その考えは変わらない。

ツリーハウスに興味が持てなかったのはその辺りがわかっていなかったから。

自分の考えを表現するものがこのツリーハウス。

明日から本格的に仕事が始まる。

だからもうしばらく、ツリーハウスに手をかけることはできない。

楽しみは先に取っておく的な考えはないが、本業あっての全てだからな。

次に手をかける頃には、どんな季節になっているか。

それもまた今とは違った風を感じながらできることに感謝できることだろう。


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でも、次の作業まで壊れないでいてね。

切実に思うわ。

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