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執筆者の写真Nobuhiro Kawai

Il Borro


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イタリアの村をたくさん廻ったが、最後に訪れたのがここIl Borro。

フェラガモが村を丸ごと買ってリゾート地に再生させたという村。

訪れたこの時期は、施設自体は閉鎖されていたが徒歩で見て廻ることはできた。


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周りは山に囲まれ、小高い位置に小さな固まりで村はあった。

そこに、訪問者が泊まれるように宿が建っている。

そこには、切り立った崖の縁にテラスがあったり、散歩ができるように遊歩道があったりと整備されていた。


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この日も村のあちこちでは、建物を改装している光景がみられた。

オフシーズンに、このような施設を整備し、少しずつ村を再生させているのだろう。

整備の仕方も、昔の材料と同じものを使ったり、レンガの積み方や石の並べ方も古くささが残るように配慮されていた。

一つひとつをじっくりと見ると、決して綺麗な積み方、並べ方ではないが、全体を見ると訪れたどの村でもそうだが、味がある。

どうなのかな、この感じは。

狙っているのか、手元にある材料を積んでいったらこうなったのか。

疑問は残る。

でも、現代のイタリア人もこの感じを残そうとするのは、綺麗だけがデザインではないということを言われているように感じた。


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最後に立ち寄ったのは、村再生と同じく力を入れている村の入口にある、ワインショップ。

来たからには、やはり買って帰らねば。

わざわざ、ここで買わなくても良いだろうとイタリア人には言われそうだが、日本人にはこのようなところで買うというのは、立派な理由になってしまう。

事実、イタリア人はここには来ないそうだ。

来るのは、アメリカ人と日本人ばかりという話だ。

このようなリゾートに来なくても、安くていい宿はたくさんあるし、流行には乗らないというのがイタリアの人だそうだ。

良いと感じたものを自分の判断できちんと選択出来る。

でも、それには本当に良いものを見て、感じていなければ正解かどうかはわからない。

一流を見る、感じるということの理由は、こういうことに繋がっていくのだと思う。

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