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執筆者の写真Nobuhiro Kawai

嬉しさ


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今年、農業の素人たちが始めた畑も、野菜たちの頑張りもあってか作物が順調に育っている。


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野菜たちがまだ小さい頃頑張ったのが、ブルーベリー。

植えてから、もう7〜8年たとうとしているブルーベリーは、今年初めて販売してみた。

7月初旬から8月末まで僕たちの農業を支えてくれた存在だ。


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僕たちの農業を根っこから支えてくれているのは、この健康な牛の堆肥。

まだ農業に何のこだわりもなかった頃にこの堆肥に出会い、まずはこの堆肥だけで野菜を作ってみようと思った。

この堆肥には、うちの会社で作ったウッドチップを水分調整の為に混ぜていて、そこでできた堆肥をうちの畑に撒いている。

その他にも、乳酸菌の話などこの堆肥にまつわる話はたくさんあるが、それは別の機会に。


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種まきの春は、不安ばかりだった。

やることなすこと、すべてが初めてだから合ってるのか間違ってるのかさえもわからない。

とにかくやってみるしかなかった。

本やネットであらゆることを調べながらの農業。

草取りしながら、本当に美味しい実がなるのか疑いながらの農作業。

悩み、苦しみ、こんなことやって意味があるのかと思ったこともあったさ。

でも、そんな中にも楽しみがいつもつきまとっていた。


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虫に食べられても、病気かなと思っても、こんなものかなと薬は撒かなかった。

そして、少しずつ実りが見えてきた。


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見るだけでは決してわからないこと。

食べることでしかわからない味。

その味を味わった時、春からの不安は打ち消された。(この味を維持できるのかという不安は残るが。)

ひいき目はあると思うが、自分で育てた野菜ってこんなにも美味しいのか。

健康な牛の堆肥で作った野菜の力がそこには感じられた。


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そんな野菜たちを食べてもらう機会が先日のこと。

今までにも、このような機会は幾度となくあった。

今までと違うのは、自分たちの育てた野菜を使った料理を食べてもらえるということ。


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いつものように、お話し会後開かれたお食事会。


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そこに並んでいたのは、お肉以外はすべてここで採れた野菜たちで作った料理の数々。

枝豆ご飯と一緒に食べた時の感動は今も忘れられない。

それと同時に、招いた方々の美味しそうに食べる姿を見た時の嬉しさ。

今まで色々な喜びや、嬉しさというものをクライアントの方々にもらった。

しかし、今回経験したこの’嬉しさ’は今までにないものだった。


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季節の野菜を食べられる幸せ。

季節の花で飾られたこの部屋で、揺らぐ炎を見ながらしばしの満足感に浸っていた。

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