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執筆者の写真Nobuhiro Kawai

思想


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今そこにあるモノの価値を生かす。

そんな考え方を提案して、クライアントに理解してもらう。

少しずつだが形になろうとしている。


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自分がヨーロッパでみてきた風景や建物はそのモノの形や技法を相手に見せてきたように思う。

だが、今回の現場を経験して気づいたことがある。

形や技法を真似るということはごく簡単なこと。

でも、そういったやり方ではそれ以上に広げることはできないように思う。

それでは応用が効かないとも思う。

今回気づいたことは、単に形や技法を真似るのではなく思想を真似るということ。

完成するモノは全く同じ形なのに、形を真似るのかそれとも思想を真似るのかでできたのの見方は変わるだろう。

ただ単にそこにあったから使う。

そこに無ければ違った方法を考える。

それだけのことではないかと思う。

非常に簡単な思考だ。

今回の工事でいうと、ひび割れめくれた部分を持つ舗装道路がある。

そこをどう補修するか。

綺麗に舗装をカットした上でレンガを並べる。

普通はそう考えがちだが、今回はその舗装の割れ方自体を活用してそれにここの牧場にある石を並べるという方法をとった。

この方法を提案した時にクライアントから「ここに合うかな」という質問があった。

ここで採れたものがこの地に合わないはずがないじゃないですかと答えた。


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考え方は古くもなく今までなかったものでもないだろう。

ただ、あまりそういったことを伝える人がいなかっただけなのだろう。

見てきたものをどう伝えるか。

これからは後者で伝えていこうと思う。


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